「姿勢」と「動作」
2007年05月16日
「姿勢」:日常生活における姿勢の注意点
間違った姿勢をうむ生活パターン
常に正しい姿勢を維持するのが「理想的」ですが、日常生活では無理な姿勢を強いられることが多く、なかなか難しいものです。
机に向かっての仕事や勉強、コンピューターの操作も、悪い姿勢を作りやすい原因のひとつです。中腰や、背中を丸めたり、首を反ったりして行う作業も身体にとってはストレスとなります。長時間の車の運転もそのひとつですし、ソファーに寝転んでテレビをみるのも良くない姿勢です。これらに運動不足も加わると、身体に悪い「間違った使い方」・「ストレス過多」・「運動不足」の三悪条件が全てそろってしまいます。
痛みが出始めたら要注意です。こうした状態は「姿勢症候群」と呼ばれ、生活習慣病の予備軍と考えられています。
悪い姿勢を継続すると、やがては筋肉や靭帯、関節が変形し、元に戻らなくなります。これらは機能不全症候群や変性症候群と呼ばれる、立派な病気のひとつです。意識的に正しい姿勢に戻したり、定期的に身体を動かして予防をする必要があります。
姿勢を悪くするその他の要因
生活習慣だけでなく、太りすぎや、妊娠、加齢、急性・慢性の疾患や痛みなども、悪い姿勢の原因になります。またサイズや形が合ってない靴や、ファッション重視の靴を履きつづけることも、身体にかなりのストレスをかけ、姿勢の乱れにつながります。
見過ごされがちなのが、心理的な原因です。自信をなくしたり、落ち込んだりするとどうしても背中を丸めてしまいます。
遺伝的、あるいは後天的なケガや病気で左右の骨格の長さや大きさが違ったり、曲がっていたりする場合もあります。このような場合は専門医に相談することをお勧めします。
「姿勢」:姿勢の分類
姿勢解析の先駆者、ウイリアム・H・シェルドン博士は「姿勢と体格とはべつのものである」と語っています。これが意味するのは、太っているか、やせているかを決定する脂肪の量と、姿勢の良し悪しは無関係であるということです。確かに、太めでも姿勢の正しい人や、痩せてスラッとしていても、姿勢が悪い人を見かけます。姿勢の良し悪しは原則的に骨格系のアライメントの良し悪しを指しています。
正しい姿勢・理想的な姿勢
重力に対して、主要な関節が最も自由でかつ効率的に働けるように立つことが「理想的」とされます。
横から見ると以下のポイントが一直線に揃っている状態です。
・足首(外くるぶしの指一本分つま先より)
・膝
・股関節(大転子)
・肩峰(肩の先端)
・耳の穴
前から見ると以下のポイントが一直線に揃っている状態です。
・両足首を結んだ線の中心
・膝を結んだ線の中心
・恥骨結合
・胸骨上・下端
・眉間
後ろから見ると以下のポイントが一直線に揃っている状態です。
・足首を結んだ線の中心
・膝を結んだ線の中心
・尾てい骨
・骨盤の上端を結んだ中心
・肩を結んだ線の中心
・後頭骨
間違った姿勢のパターン
【フラットバック型】

背中(脊柱)に自然なS字カーブがなく、まっすぐになっています。頭が前に移動して顎が突き出しぎみの格好をとるパターンも多く見られます。
【前湾後湾亢進型】

腰の反りが強く、かつ背中は猫背になっています。骨盤は前倒しになり、背中から肩が丸まって、頭が前に突き出した格好を取ります。
【スウェイバック型】

骨盤が前方に移動し、背部でバランスを取ろうと後ろに反リ返ったタイプです。
これらの他にも歪みのパターンはありますが、共通して言えることは、これらの不良姿勢はすべて、「コア」の筋力が弱まり、身体を正しい位置に保つことができなくなったため、代償的に起こるものだということです。
一度不良姿勢が形成されると、自然と動作も悪いパターンになってゆき、それが慢性化することで、身体の各所に過負荷がかかり痛みを引き起こすのです。
「コア・コンディショニング」における、「リセット」(身体をニュートラルに戻す) → 「ストレングス」(コアの強化・安定と正しい動作の再学習)の流れは、この逆を行うことで身体を理想の状態に戻していくことが理解していただけると思います。
動きの癖を正す
身体は動作をプログラムとして蓄積しています。
悪い姿勢や間違った運動の癖が起こるのは、誤った(理想的でない)運動プログラムが記憶されているからです。
例えば、立った状態で手足を動かそうとすると、脳に記憶されているプログラムの中から最適なものを選んで、フィードフォワード(筋肉に指令を出す)させます。「コア」筋を使って脊柱を安定させ、次にアウターマッスルに指令をだして、手足の運動による重心の移動を制御していく力を発生させるのです。
慢性腰痛の患者では、このプログラムが正しくないことが医学研究で明らかにされています。
「コア」を働かせて脊柱の安定性を高める前に、アウターマッスルが働いてしまい、手足の運動が始まってしまうのです。これでは脊柱の関節は安定できず、関節に負担がかかり、怪我をしやすくなります。またアウターマッスルの動きをアウターマッスルで制御しようとするために、動きがぎこちなくなったり、筋肉の疲労が溜まりやすくなるのです。
姿勢が悪かったり、間違った身体の使い方をしていたとしても、それを正す方法はちゃんと残されています。筋肉に命令をおくる神経系は、新しいパターンを学習して、古いプログラムを書き換えていく特性を持っているからです。
これを「可逆性」もしくは「適応性」と呼びます。
簡単に言ってしまうと、悪い癖を直す方法はただ一つ、正しい姿勢や動作を、意識的に続けることです。意識的に正しい姿勢や動作を続けることで、古いプログラムの上に、新しい正しいプログラムが上書きされていきます。
マッサージやボキボキする整体などで、慢性症状が改善しないのはこういった理由からです。緊張した部分をいくらほぐしても、(一時は軽く感じるかもしれませんが)、本来の意味での筋バランス調整はなされず、また悪い動作パターンの修正がなされない為なのです。
従来、「可逆性」や「適応性」は成長期をすぎると消失すると考えられていましたが、実は成人になってからも消えないことが最近の研究で判明しました。もちろん年齢が若いほど、プログラムの書き換えは速くなりますが、年齢が高くても正しい姿勢を保ち、正しい動作を反復することで上書きはされていくのです。
間違った姿勢をうむ生活パターン
常に正しい姿勢を維持するのが「理想的」ですが、日常生活では無理な姿勢を強いられることが多く、なかなか難しいものです。
机に向かっての仕事や勉強、コンピューターの操作も、悪い姿勢を作りやすい原因のひとつです。中腰や、背中を丸めたり、首を反ったりして行う作業も身体にとってはストレスとなります。長時間の車の運転もそのひとつですし、ソファーに寝転んでテレビをみるのも良くない姿勢です。これらに運動不足も加わると、身体に悪い「間違った使い方」・「ストレス過多」・「運動不足」の三悪条件が全てそろってしまいます。
痛みが出始めたら要注意です。こうした状態は「姿勢症候群」と呼ばれ、生活習慣病の予備軍と考えられています。
悪い姿勢を継続すると、やがては筋肉や靭帯、関節が変形し、元に戻らなくなります。これらは機能不全症候群や変性症候群と呼ばれる、立派な病気のひとつです。意識的に正しい姿勢に戻したり、定期的に身体を動かして予防をする必要があります。
姿勢を悪くするその他の要因
生活習慣だけでなく、太りすぎや、妊娠、加齢、急性・慢性の疾患や痛みなども、悪い姿勢の原因になります。またサイズや形が合ってない靴や、ファッション重視の靴を履きつづけることも、身体にかなりのストレスをかけ、姿勢の乱れにつながります。
見過ごされがちなのが、心理的な原因です。自信をなくしたり、落ち込んだりするとどうしても背中を丸めてしまいます。
遺伝的、あるいは後天的なケガや病気で左右の骨格の長さや大きさが違ったり、曲がっていたりする場合もあります。このような場合は専門医に相談することをお勧めします。
「姿勢」:姿勢の分類
姿勢解析の先駆者、ウイリアム・H・シェルドン博士は「姿勢と体格とはべつのものである」と語っています。これが意味するのは、太っているか、やせているかを決定する脂肪の量と、姿勢の良し悪しは無関係であるということです。確かに、太めでも姿勢の正しい人や、痩せてスラッとしていても、姿勢が悪い人を見かけます。姿勢の良し悪しは原則的に骨格系のアライメントの良し悪しを指しています。
正しい姿勢・理想的な姿勢
重力に対して、主要な関節が最も自由でかつ効率的に働けるように立つことが「理想的」とされます。
横から見ると以下のポイントが一直線に揃っている状態です。
・足首(外くるぶしの指一本分つま先より)
・膝
・股関節(大転子)
・肩峰(肩の先端)
・耳の穴
前から見ると以下のポイントが一直線に揃っている状態です。
・両足首を結んだ線の中心
・膝を結んだ線の中心
・恥骨結合
・胸骨上・下端
・眉間
後ろから見ると以下のポイントが一直線に揃っている状態です。
・足首を結んだ線の中心
・膝を結んだ線の中心
・尾てい骨
・骨盤の上端を結んだ中心
・肩を結んだ線の中心
・後頭骨
間違った姿勢のパターン
【フラットバック型】

背中(脊柱)に自然なS字カーブがなく、まっすぐになっています。頭が前に移動して顎が突き出しぎみの格好をとるパターンも多く見られます。
【前湾後湾亢進型】

腰の反りが強く、かつ背中は猫背になっています。骨盤は前倒しになり、背中から肩が丸まって、頭が前に突き出した格好を取ります。
【スウェイバック型】

骨盤が前方に移動し、背部でバランスを取ろうと後ろに反リ返ったタイプです。
これらの他にも歪みのパターンはありますが、共通して言えることは、これらの不良姿勢はすべて、「コア」の筋力が弱まり、身体を正しい位置に保つことができなくなったため、代償的に起こるものだということです。
一度不良姿勢が形成されると、自然と動作も悪いパターンになってゆき、それが慢性化することで、身体の各所に過負荷がかかり痛みを引き起こすのです。
「コア・コンディショニング」における、「リセット」(身体をニュートラルに戻す) → 「ストレングス」(コアの強化・安定と正しい動作の再学習)の流れは、この逆を行うことで身体を理想の状態に戻していくことが理解していただけると思います。
動きの癖を正す
身体は動作をプログラムとして蓄積しています。
悪い姿勢や間違った運動の癖が起こるのは、誤った(理想的でない)運動プログラムが記憶されているからです。
例えば、立った状態で手足を動かそうとすると、脳に記憶されているプログラムの中から最適なものを選んで、フィードフォワード(筋肉に指令を出す)させます。「コア」筋を使って脊柱を安定させ、次にアウターマッスルに指令をだして、手足の運動による重心の移動を制御していく力を発生させるのです。
慢性腰痛の患者では、このプログラムが正しくないことが医学研究で明らかにされています。
「コア」を働かせて脊柱の安定性を高める前に、アウターマッスルが働いてしまい、手足の運動が始まってしまうのです。これでは脊柱の関節は安定できず、関節に負担がかかり、怪我をしやすくなります。またアウターマッスルの動きをアウターマッスルで制御しようとするために、動きがぎこちなくなったり、筋肉の疲労が溜まりやすくなるのです。
姿勢が悪かったり、間違った身体の使い方をしていたとしても、それを正す方法はちゃんと残されています。筋肉に命令をおくる神経系は、新しいパターンを学習して、古いプログラムを書き換えていく特性を持っているからです。
これを「可逆性」もしくは「適応性」と呼びます。
簡単に言ってしまうと、悪い癖を直す方法はただ一つ、正しい姿勢や動作を、意識的に続けることです。意識的に正しい姿勢や動作を続けることで、古いプログラムの上に、新しい正しいプログラムが上書きされていきます。
マッサージやボキボキする整体などで、慢性症状が改善しないのはこういった理由からです。緊張した部分をいくらほぐしても、(一時は軽く感じるかもしれませんが)、本来の意味での筋バランス調整はなされず、また悪い動作パターンの修正がなされない為なのです。
従来、「可逆性」や「適応性」は成長期をすぎると消失すると考えられていましたが、実は成人になってからも消えないことが最近の研究で判明しました。もちろん年齢が若いほど、プログラムの書き換えは速くなりますが、年齢が高くても正しい姿勢を保ち、正しい動作を反復することで上書きはされていくのです。
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